中古住宅の購入+リフォーム(リノベーション)と住宅ローン控除(その2)

5.実際のケースを想定
 実際に住宅ローンにより中古住宅を購入してリノベーションするケースを想定してみると、売主は事業者でない個人であることが多いため、中古住宅の購入については「特定取得」には該当しないことが多いでしょう。一方リノベーションについては事業者に工事を依頼するため、「特定取得」に該当することとなるでしょう。
このように住宅ローンにより中古住宅を購入して同一年中にリノベーションをし、中古住宅の要件及びリノベーションの要件を両方満たしている場合は、両方の住宅ローンについて住宅ローン控除の適用を受けることが可能です。
この場合の住宅ローン控除の計算方法は次のように複雑になります。


6.中古住宅の購入+リノベーションの場合の住宅ローン控除シミュレーション
 (前提条件)
・平成26年4月1日以降に事業者でない個人から中古戸建て住宅を4500万円で購入(特定取得に該当しない)
・平成26年中に2000万円かけてリノベーションを実施(特定取得に該当)
・住宅ローン4000万円、自己資金2500万円とする
・住宅ローンについては中古住宅購入部分及びリノベーション部分ともに住宅ローンとして同条件の金利(注)で借りることができたとする
(注)リノベーションは金利の低い住宅ローンではなく金利が高めのリフォームローンになってしまう金融機関がある一方、リノベーションについても住宅ローンとして低い金利で借りることができる金融機関も増えてきているようですので、金融機関選びも重要になってきます。


(1)住宅ローンを次のように組んだ場合(住宅ローン控除が不利になる場合)
・中古住宅購入費用4500万円のうち、自己資金1000万円、住宅ローン3500万円とする
・リノベーション費用2000万円のうち、自己資金1500万円、住宅ローン500万円とする


この場合のそれぞれの住宅ローン控除額の計算は次の通りとなります。
・中古住宅部分の住宅ローン控除=住宅ローン3500万円×1%=35万円>20万円(上限)となり、20万円となります。
・リノベーション部分の住宅ローン控除=住宅ローン500万円×1%=5万円<40万円(上限)となり、5万円となります。


よって住宅ローン控除合計額は、20万円+5万円=25万円<40万円(上限)(注)となり、その年においては、25万円の住宅ローン控除を受けることができます。
(注)二以上の住宅の取得等に係る住宅ローンを有する場合には、それぞれの住宅の取得等について住宅ローン控除の計算をし、その合計額(その合計額がそれぞれの住宅ローンに対する控除限度額のうち最も多い金額を超える場合にはその最も多い控除限度額)がその者のその年分の住宅ローン控除額となります(措法41の2)。


(2)住宅ローンを次のように組んだ場合(住宅ローン控除が有利になる場合)
・中古住宅購入費用4500万円のうち、自己資金2500万円、住宅ローン2000万円とする
・リノベーション費用2000万円のうち、自己資金0円、住宅ローン2000万円とする

この場合のそれぞれの住宅ローン控除額の計算は次の通りとなります。
・中古住宅部分のローン控除=住宅ローン2000万円×1%=20万円=20万円(上限)となり、20万円となります。
・リノベーション部分の住宅ローン控除=住宅ローン2000万円×1%=20万円<40万円(上限)となり、20万円となります。
 よって住宅ローン控除合計額は、20万円+20万円=40万円=40万円(上限)となり、その年においては、40万円の住宅ローン控除を受けることができます。


7.さいごに
中古住宅は実際に市場に売りに出されている物件ですので人気がある物件であれば早急に決めなければならない一方、購入前にその物件に瑕疵・欠陥がないかどうかや最低限リノベーション可能な物件かどうかなどを短期間で決断しなければならないため、税務や住宅ローン控除のことまでしっかりと検討する余裕はなかなかないのではないでしょうか。
しかし多額の住宅ローンを組む場合は、組み方によっては住宅ローン控除額にも影響が出てくる場合がありますので、可能な限り事前に検討をしたほうが望ましいといえます。
例えば上記6でシミュレーションしたように、中古戸建ての大規模なリノベーションを検討する場合は、特定取得とならない購入部分はなるべく自己資金を使い、特定取得となるリノベーション部分は住宅ローンを多くしたほうがトータルで住宅ローン控除を多く受けることができる場合もあるかもしれません。
さらに住宅取得・リノベーションに関する税制は、本稿では取り上げていない「特定増改築等に係る住宅ローン控除制度」や、「耐震改修を行った場合の税額控除制度」などもあり、税制が複雑になりすぎてしまっています。
本稿が少しでも「中古住宅取得+リノベーション」を検討している方の検討材料になれば幸いです。



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