租税滞納について(その1)

1.はじめに
納税は言うまでもなく国民の義務であり、国民は規定された納期限までに税務申告及び納税を行わなければなりません。税務申告がなされても納税が行われなければ、税金は滞納されたものとして、税務当局による厳しい取り立て・処分の対象となっていきます。
税務当局は適正な納税が行われるように税務調査等を通して課税体制を強化する一方で回収業務である租税の徴収についても滞納税額を減らすことに力を注いでいます。


2.平成23年度租税滞納状況について
 国税庁より、平成23年度における租税の滞納状況に関するデータが公表されました。
http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2012/sozei_taino/index.htm


(全税目滞納税額)
(1)平成22年滞納未処理額 14,201億円(前年比95.0%)
(2)平成23年滞納発生額  6,073億円(同88.8%)
(3)平成23年滞納処理額  6,657億円(同87.7%)
(4)平成23年滞納未処理額 13,617億円(同95.9%){(1)+(2)-(3)以下同じ}


(うち源泉所得税滞納税額)
(1)平成22年滞納未処理額 2,802億円(前年比94.3%)
(2)平成23年滞納発生額  594億円(同84.6%)
(3)平成23年滞納処理額  782億円(同89・6%)
(4)平成23年滞納未処理額 2,614億円(同93.3%) 


(うち申告所得税滞納税額)
(1)平成22年滞納未処理額 3,815億円(前年比95.2%)
(2)平成23年滞納発生額  1,234億円(同97.5%)
(3)平成23年滞納処理額  1,303億円(同89・4%)
(4)平成23年滞納未処理額 3,746億円(同98.2%) 


(うち法人税滞納税額)
(1)平成22年滞納未処理額 1,843億円(前年比92.1%)
(2)平成23年滞納発生額  737億円(同71.9%)
(3)平成23年滞納処理額  826億円(同69.9%)
(4)平成23年滞納未処理額 1,754億円(同95.1%) 


(うち相続税滞納税額)
(1)平成22年滞納未処理額 1,452億円(前年比95.4%)
(2)平成23年滞納発生額  278億円(同64.0%)
(3)平成23年滞納処理額  424億円(同84.1%)
(4)平成23年滞納未処理額 1,306億円(同89.9%) 


(うち消費税滞納税額)
(1)平成22年滞納未処理額 4,256億円(前年比96.3%)
(2)平成23年滞納発生額  3,220億円(同94.8%)
(3)平成23年滞納処理額  3,307億円(同92.9%)
(4)平成23年滞納未処理額 4,169億円(同98.0%) 


3.考察
(1)滞納発生額は、全税目において前年比で100%を割っており、年々減少傾向にあります。
(2)滞納発生割合(申告課税額に占める滞納発生額の割合)は、平成23年度は約1.4%となっており、年々減少傾向にあります。
(3)滞納処理額についても滞納発生額を上回ったため、滞納未処理額は前年比で減少しています。しかし滞納処理額の中には「回収された額」だけではなく、最終的に「取立不能となった額」、すなわち「貸倒れとなった税金」も含まれています。
(4)滞納未処理額についても年々減少しています。
(5)税目のうち、消費税の滞納額が高くなっています。これは消費税が利益に対する課税ではなく消費者から預かった税金を納める、言わば預り金的性格の強い課税体系であるため、担税力の乏しい(資金繰りが苦しい)消費税納税義務者が、消費者から預かった消費税を運転資金等に使ってしまい、申告時期において納税資金がないといったケースが多く発生しており、滞納データから消費税の課税・納税体系の問題点が浮かんでいます。


4.滞納処理について次稿では、滞納された税金がどのように処分されていくかについて説明します。





相続税、その他税務に関する相談は


名古屋市中区の橋本税理士事務所へ





052-962-4139

又は

 こちらのフォームからお願いします






Copyright (C)2005. hashimoto . All Rights Reserved.