平成23年度税制改正の行方

1.はじめに

 本日この原稿を書いているのが4月9日であり、3月11日に発生した東北関東大震災が起きてから1ヶ月が経とうとしています。震災発生直後の混乱状態は少しずつ収まりつつありますが、これから日本全国が力を合わせて復旧活動に取り組んでいかなければなりません。

2.税制改正の行方
 元々本年の税制改正はねじれ国会の影響で期限内に改正が成立するかどうか先行きが不透明だったのですが、地震の影響も重なって3月31日までに改正が成立しませんでした。よって現時点では税制改正は成立しておりませんし、いつ改正が可決され、施行されることになるのかも決まっておりません。

○ 棚上げ状態になっている主な税制改正内容

(1)法人税関係
・法人税率の引き下げ(本則22%→19%、中小法人特例18%→15%)
・減価償却制度の見直し
・繰越欠損金の引き継ぎ制限

(2)所得税関係
・給与所得控除の見直し
・退職所得控除の見直し
・成年扶養控除の見直し

(3)相続税・贈与税関係
・基礎控除の引き下げ
・保険金の非課税制度の見直し
・相続税率・贈与税率の変更
(注)前回コラムで取り上げた内容も現時点では未だ成立しておりません。

 一方平成23年3月31日で期限切れを迎えてしまう租税特別措置法については、「国民生活等の混乱を回避するための租税特別措置法等の一部を改正する法律案」、「国民生活等の混乱を回避するための地方税法の一部を改正する法律案」(いわゆるつなぎ法案)が3月31日に成立、4月1日から成功されました。
とはいえこのつなぎ法案は現行の税制を3ヶ月間延長するもの、つまり平成23年3月31日に適用期限を迎える全ての租税特別措置法の適用期限を平成23年6月30日まで延長するという内容のものですので、その先どうなるかについては不透明なままといってよいでしょう。

○ つなぎ法案により6月30日まで延長された主な内容

(1)法人税関係
・中小法人に対する軽減税率の特例
(注)なお平成23年度税制改正では中小法人の軽減税率をさらに15%へ下げる案でしたが成立の見通しは立っておりません。
・試験研究費の税額控除の上乗せ措置

(2)登録免許税関係
・住宅用家屋の所有権の保存登記等の税率軽減

(3)印紙税関係
・不動産の譲渡に関する契約書等に係る印紙税の税率の特例


3.今後の見通し
 今回の地震による日本経済に対する影響は計り知れないものであり、経済的損失規模は数兆円とも数十兆円とも言われています。
それに伴い税収も当然必要となってくるため、たとえば日本経団連の会長が「法人税の減税は行わずに復興財源に充ててほしい」という意見を出したように、減税に伴う改正内容については新たに議論が加えられ減税改正案はそのまま可決されない可能性もあるでしょう。
また復興財源を賄うために、所得税の定率増税や消費税の増税、子ども手当の廃止など財政を確保するための案も各種出され始めているようです。
いずれにしろ今後の税制については注意深く注視していく必要があります。


4.参考―寄付金税制
(1)個人が支出する寄附金(義援金)の取り扱い
 寄附金控除(所得金額の40%又は寄附金の額のいずれか少ない方の金額から2千円を控除した金額を所得から控除する。)の対象となります。

(2)法人が支出する寄附金(義援金)の取り扱い
 全額が損金算入の対象となります。


東北地方へ向けて日本全国から寄付が集まっています。
それに伴い国税局では寄付に関する税制のFAQ(義援金に対する取り扱い)をホームページで公開しましたのでご紹介します。
(募金団体を通じた義援金等に係る税務上の確認手続きについて)
http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/gien/index.htm
(義援金に対する税務上の取り扱いFAQ)
http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/jishin/gienkin/gien_faq.pdf






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