個人事業の法人化その2

(新日本法規出版社-「e-hoki」、内にて連載中)


前回に引き続き、個人事業の法人化を検討する。


Ⅳ.シミュレーション例 
「個人事業」と「法人」で税金がどのぐらい異なるか、次の前提条件によりシミュレーションをしてみた。

(前提条件)
・事業の利益は専従者給与支給前、65万円青色申告特別控除前のものとする
・事業主の所得控除は所得税・住民税ともに150万円とする
・専従者の所得控除は所得税・住民税ともに38万円とする
・専従者給与は300万円とする
・事業税の税率は5%、事業税控除は290万円とする


シミュレーション1. 事業の利益が800万円の場合

(1)個人事業の場合の税金

(イ) 事業主の税金
所得税=800万円-300万円-65万円-150万円=285万円×10%-97,500円=187,500円
住民税=285万円×10%=285,000円
事業税=(800万円-300万円-290万円)×5%=105,000円
事業主の税金合計=577,500円

(ロ) 専従者(妻・子)の税金
所得税=(300万円-108万円)-38万円=154万円×5%=77,000円
住民税=154万円×10%=154,000円
専従者の税金合計=231,000円

個人事業の場合の税金合計(イ)+(ロ)
=577,500円+231,000円=808,500円


(2)法人の場合の税金
代表者の給与は400万円とする

(イ) 法人の税金
法人税 800万円-300万円-400万円=100万円×18%=180,000円
法人住民税・事業税=150,000円(概算)
法人の税金合計330,000円

(ロ) 代表者の税金
所得税=(400万円-134万円)-150万円=116万円×5%=58,000円
住民税=116万円×10%=116,000円
代表者の税金合計=174,000円

(ハ) 専従者役員(妻・子)の税金
所得税=(300万円-108万円)-38万円=154万円×5%=77,000円
住民税=154万円×10%=154,000円
専従者役員(妻・子)の税金合計=231,000円
法人の場合の税金合計(イ)+(ロ)+(ハ)
=330,000円+174,000円+231,000円=735,000円

(考察)
上記シミュレーションでは「個人事業」と「法人」の税金の差額は数万円であり、税金面での法人化のメリットはあまりないと思われる。


シミュレーション2. 事業の利益が1,200万円の場合

(1)個人事業の場合の税金

(イ) 事業主の税金
所得税=1,200万円-300万円-65万円-150万円=685万円×20%-427,500円=942,500円
住民税=685万円×10%=685,000円
事業税=(1,200万円-300万円-290万円)×5%=305,000円
事業主の税金合計=1,932,500円

(ロ) 専従者(妻・子)の税金
所得税=(300万円-108万円)-38万円=154万円×5%=77,000円
住民税=154万円×10%=154,000円
専従者の税金合計=231,000円
個人事業の場合の税金合計(イ)+(ロ)
=1,932,500円+231,000円=2,163,500円


(2)法人の場合の税金
代表者の給与は800万円とする

(イ) 法人の税金
法人税 1,200万円-300万円-800万円=100万円×18%=180,000円
法人住民税・事業税=150,000円(概算)
法人の税金合計330,000円

(ロ) 代表者の税金
所得税=(800万円-200万円)-150万円=450万円×20%-427,500=472,500円
住民税=450万円×10%=450,000円
代表者の税金合計=922,500円

(ハ) 専従者役員(妻・子)の税金
所得税=(300万円-108万円)-38万円=154万円×5%=77,000円
住民税=154万円×10%=154,000円
専従者役員(妻・子)の税金合計=231,000円
法人の場合の税金合計(イ)+(ロ)+(ハ)
=330,000円+922,500円+231,000円=1,483,500円


(考察)
上記シミュレーションでは「個人事業」と「法人」の税金の差額は60~70万程度あり、設定給与その他条件次第では法人化のメリットはあると思われる。


シミュレーション3. 事業の利益が1,600万円の場合
(1)個人事業の場合の税金

(イ) 事業主の税金
所得税=1,600万円-300万円-65万円-150万円=1,085万円×33%-1,536,000円=2,044,500円
住民税=1,085万円×10%=1,085,000円
事業税=(1,600万円-300万円-290万円)×5%=505,000円
事業主の税金合計=3,634,500円

(ロ) 専従者(妻・子)の税金
所得税=(300万円-108万円)-38万円=154万円×5%=77,000円
住民税=154万円×10%=154,000円
専従者の税金合計=231,000円
個人事業の場合の税金合計(イ)+(ロ)
=3,634,500円+231,000円=3,865,500円


(2)法人の場合の税金
代表者の給与は1,000万円とする

(イ) 法人の税金
法人税 1,600万円-300万円-1,000万円=300万円×18%=540,000円
法人住民税・事業税=310,000円(概算)
法人の税金合計850,000円

(ロ) 代表者の税金
所得税=(1,000円-220万円)-150万円=630万円×20%-427,500=832,500円
住民税=630万円×10%=630,000円
代表者の税金合計=1,462,500円

(ハ) 専従者役員(妻・子)の税金
所得税=(300万円-108万円)-38万円=154万円×5%=77,000円
住民税=154万円×10%=154,000円
専従者役員(妻・子)の税金合計=231,000円
法人の場合の税金合計(イ)+(ロ)+(ハ)
=850,000円+1,462,500円+231,000円=2,543,500円


(考察)
上記シミュレーションでは「個人事業」と「法人」の税金の差額は130~140万程度あり、設定給与その他条件次第では法人化のメリットは大きくあると思われる。





個人事業の法人化・法人設立に関する相談は


名古屋市中区の橋本税理士事務所へ





052-962-4139

又は

 こちらのフォームからお願いします





Copyright (C)2005. hashimoto . All Rights Reserved.