平成23年度税制改正‐相続税は大増税に

平成23年度の税制改正大綱が発表されました。
本年の税制改正では各種税目において注目すべき改正がたくさん盛り込まれておりますが、本稿では相続税の改正を取り上げます。

1.改正内容
(1)相続税の基礎控除の減少(増税)
○ 現行(平成23年3月31日まで)
相続税の基礎控除
=5,000万円+1,000万円×法定相続人の数

○ 改正後(平成23年4月1日以降)
相続税の基礎控除
=3,000万円+600万円×法定相続人の数

相続税がかからない基礎控除額が少なくなりその結果、より多くの方が相続税を支払うことになることが想定されます。


(2)生命保険金の非課税要件の厳格化(増税)
○ 現行(平成23年3月31日まで)
生命保険金の非課税額
=500万円×法定相続人の数

○ 改正後(平成23年4月1日以降)
生命保険金の非課税額
=500万円×法定相続人
(ただし未成年者、障害者、相続開始直前に被相続人と生計を一にしていた者に限る)の数
 生命保険金のうち上記の非課税額については相続税がかかりませんが、上記のように条件が厳しくなり、条件を満たさない場合は非課税額が小さくなります。


(3)相続時精算課税制度の対象要件の拡大
○ 現行(平成22年12月31日まで)
65歳以上の親から20歳以上の子への贈与

○ 改正後(平成23年1月1日以降)
60歳以上の親から20歳以上の子、孫への贈与

相続時精算課税制度は、2,500万円まで贈与税を払わずに財産を贈与できる制度です。この制度を受けることができる要件が緩和され、贈与をする人の年齢要件が60歳まで下がり、贈与を受ける人は子だけでなく孫も可能になります。

(4)その他
○ 贈与税の税率が一部変更になります(ただし年間数百万円以上の高額贈与の部分)
○ 相続税の税率が一部高くなります(ただし相続税計算上の課税額が2億円以上の高額部分)


2..どのぐらいの相続税を払うことになるか?
今回の改正によりどのぐらいの相続税を払うことになるかシミュレーションを行いました(ただし法定相続人は配偶者と子、相続税額は配偶者の税額軽減適用前の概算として計算しています)。

(事例1) 財産総額5千万円、法定相続人2人の場合
(現行) 相続税0円(基礎控除以下)→(改正後)相続税80万円

(事例2) 財産総額7千万円、法定相続人3人の場合
(現行) 相続税0円(基礎控除以下)→(改正後)相続税225万円

(事例3) 財産総額9千万円、法定相続人4人の場合
(現行) 相続税0円(基礎控除以下)→(改正後)相続税400万円

(事例4) 財産総額1億円、法定相続人4人の場合
(現行)相続税100万円 →(改正後)相続税525万円

(事例5) 財産総額1.5億円、法定相続人2人の場合
(現行)相続税1,200万円 →(改正後)相続税1,840万円

(事例6) 財産総額2億円、法定相続人5人の場合
(現行) 相続税1,350万円 →(改正後)相続税2,250万円

(事例7) 財産総額3億円、法定相続人2人の場合
(現行) 相続税5,800万円 →(改正後)相続税6,920万円

(事例8) 財産総額3億円、法定相続人5人の場合
(現行) 相続税3,600万円 →(改正後)相続税4,700万円

(事例9) 財産総額5億円、法定相続人5人の場合
(現行) 相続税9,500万円 →(改正後)相続税1億1,000万円

(事例10) 財産総額10億円、法定相続人5人の場合
(現行) 相続税2億9,000万円 →(改正後)相続税3億1,300万円


3.改正の影響
特に改正の影響を大きく受けるのは次の方々と思われます。

○ 相続税計算上の課税額(2億円以上部分)の税率が上昇することで相続税負担が増える方(この影響を受ける財産をお持ちの方は少数でしょう)

○ 改正前は相続税がかからないと想定されたが、改正により基礎控除が減少した結果相続税がかかるようになる方(この影響を受ける方は相当多いものと思われます)

とはいえ基礎控除が減少することにより、相続税がかかる方はすべて相続税が高くなりますので、今回の改正の影響を受けるのは相続税がかかる方全員と考えたほうがよいでしょう。
今回の相続税の改正は一般の方々が想像している以上に大きな増税になるように感じます。相続税で心配な方は今まで以上に生前のタックスプランニングを行うことが重要になるでしょう。





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