租税滞納について(その2)

1.滞納処分について
滞納された税金は「滞納処分」により厳しい取り立て手続きが取られます。
「滞納処分」については「国税徴収法」に定められており、通常は次の手順で「滞納処分」が進められます。


・督促状の送付(納期限から50日以内)
  ↓(租税が払えない場合)
・財産調査の開始、納税者への質問・面会、納付の相談
  ↓(租税が払えない場合、応じない場合)
・財産の差押
  ↓
・財産の換価(差し押さえた財産を処分・換金)
  ↓
・配当(租税へ充当)


2.救済規定について
租税を納付することが困難であることについて特段の理由がある場合は、救済措置として「納税の猶予」や「換価の猶予」、「滞納処分の執行停止→滞納税額の消滅」の手続きが取られる場合があります。


(1)納税の猶予(国税通則法46条)
 税務署長等は、次の各号の一に該当する事実がある場合において、その該当する事実に
基づき、納税者がその国税を一時に納付することができないと認められるときは、その納付することができないと認められる金額を限度として、納税者の申請に基づき、一年以内の期間を限り、その納税を猶予することができます。
(イ)納税者がその財産につき、震災、風水害、落雷、火災その他の災害を受け、又は盗難にかかつたこと。
(ロ)納税者又はその者と生計を一にする親族が病気にかかり、又は負傷したこと。
(ハ)納税者がその事業を廃止し、又は休止したこと。
(ニ)納税者がその事業につき著しい損失を受けたこと。
(ホ)前各号の一に該当する事実に類する事実があつたこと。


(2)換価の猶予(国税徴収法151条)
  換価とは差し押さえた財産を処分して換金することですが、滞納者から差し押さえた財産を処分することによってその滞納者の事業の継続又はその生活の維持を困難にするおそれがあるなど一定の事由があると認めるときは、税務署長の判断で、換価を猶予することがあります。
ただしこれは納税者からの申請ではなく、あくまでも税務署側からの判断に基づくと定められており、実務上においても簡単に認められるものではなく、税務署側からも積極的に救済を促してくれるものではありません。
しかし納税者を救済する措置として法制化されている制度ですので、納税者としては自分の置かれた状況を熟考し、場合によっては税務署に対して自ら積極的に懇願することも必要であると考えます(ただし換価の猶予の規定においては、「納税について誠実な意思を有すると認められるとき」という文言が記されています。滞納者としてはたとえ納税できない状況にあっても、納税する意思を示すとともに誠実な態度が求められます。決して横柄に権利を主張するような態度は取るべきではないでしょう)。


(3)滞納処分の停止(国税徴収法153条)
税務署長は、滞納者につき次の各号の一に該当する事実があると認めるときは、滞納処分
の執行を停止することができます。
(イ)滞納処分を執行することができる財産がないとき。
(ロ)滞納処分を執行することによってその生活を著しく窮迫させるおそれがあるとき。
(ハ)その所在及び滞納処分を執行することができる財産がともに不明であるとき。
なお執行停止処分が行われた時は、その停止3年経過後に納税義務は消滅します。
ただし解散した法人等将来事業再開の見込みが全くない法人や相続人が不存在である場合、全相続人が放棄した場合など、租税を徴収することができないことが明らかであるときは、納税義務は直ちに消滅します。


3.最後に前稿でも少し触れましたが、租税滞納及び滞納処理額の中には「回収された額」だけではなく、最終的に「取立不能となった額」、すなわち滞納処分の停止等により実質的に「貸倒れとなった額」も含まれています。
貸倒れとして消滅した租税額の数値は公表されていないようですが、相当な税額が貸倒れとして消滅しているのではないでしょうか。





相続税、その他税務に関する相談は


名古屋市中区の橋本税理士事務所へ





052-962-4139

又は

 こちらのフォームからお願いします





Copyright (C)2005. hashimoto . All Rights Reserved.