平成22年度税制改正(その1)

(新日本法規出版社-「e-hoki」、内にて連載中)


Ⅰ.はじめに

昨年末に平成22年度の税制改正大綱が公表されました。
本年度の税制改正は民主党政権になってはじめての税制改正であり、世間の注目度も非常に高いものとなりました。
主な内容としては、身近な「扶養控除の見直し」から長年改正されてこなかった「定期金評価の見直し」まで幅広い改正内容になっている一方、政権交代から税制改正時期までの期間があまりなかったため、来年度へ先送りになった事項もたくさんあるようです。


Ⅱ.主な改正内容

改正内容のうち比較的重要性の高い事項を記載します。

1.所得税関係
(1) 諸控除の見直し

(イ) 扶養控除の見直し
子ども手当を支給する一方で、扶養控除が次のように廃止・縮小されます。
◇ 0歳~16歳未満の者・・・(現行)38万円→(改正後)廃止
◇ 16歳以上~19歳未満の者・・・(現行)63万円→(改正後)38万円

(ロ) 生命保険料控除の改組
「介護医療保険料控除」が創設され、次のように変わります。
(現行)「一般生命保険料控除(最大5万円控除)」+「個人年金保険料控除(同5万円)」
(改正後)「一般生命保険料控除(最大4万円控除)」+「個人年金保険料控除(同4万円)」+「介護医療保険料控除(同4万円)」


(2) 金融証券税制
居住者等が金融商品取引業者等の営業所に開設した非課税口座において管理されている上場株式等に係る配当及び譲渡所得税については10年間非課税とします。


2.法人税関係

(1)グループ内取引等に係る税制

(イ) 100%グループ内の法人間の資産の譲渡取引については課税を繰延べ、グループ外
へ移転した段階で課税します。

(ロ) 100%グループ内の法人間の寄付金については益金不算入、損金不算入とします。

(ハ) 親法人の資本金が5億円以上である場合、その100%グループ内の子法人については、中小企業向け特例措置(軽減税率、交際費損金不算入の定額控除、欠損金の繰り戻し還付など)の摘要がなくなります(外資系日本子会社も含みます)。


(2) 資本に関係する取引等に係る税制

(イ) 100%グループ内の株式を発行法人へ譲渡した場合、その譲渡損益は計上しないことになります。

(ロ) 自己株式として取得されることを予定して取得した株式に係るみなし配当については、益金不算入制度を適用しないことになります。


(3) 清算所得課税廃止
清算所得課税を廃止し、通常の所得課税制度に移行されます。


(4) 特殊支配同族会社における業務主宰役員給与の損金不算入制度の廃止
特殊支配同族会社の役員給与についての損金不算入制度を廃止します。
ただし大綱では、「役員給与の課税のあり方を引き続き議論し抜本的措置を23年度税制改正で講じる」と記載されていることから、来年度以降において何らかの制度が設けられることも想定されます。


3.国際課税関係
(1) 外国子会社合算税制(タックスヘイブン税制)の見直し
タックスヘイブン税制は国際的租税回避行為を防止するために制定された規定ですが、国外に進出する企業の事業形態の変化や諸外国の法人税等の負担水準の動向に対応するために、下記の点を中心として制度の内容を各種見直します。
(イ) トリガー税率(特定外国子会社等に該当することとされる著しく低い租税負担割合の基準)を引き下げます(現行25%を20%へ引き下げます)
(ロ) タックスヘイブン税制の適用を受ける内国法人等の直接及び間接の外国関係会社株式等の保有割合を引き上げます(現行5%以上を10%以上へ引き上げます)


(2) 移転価格税制の見直し
国際取引を行う企業の予見可能性を確保し、企業の事務負担を配慮しつつ、税務執行の透明化・円滑化を図るために、移転価格税制を見直します。


(3) 外国税務当局との情報交換
租税条約の相手国の税務当局に対し、租税に関する情報の提供を行うことができる旨の規定を創設します。


Ⅲ.その他注意事項

上記改正点については適用開始時期がそれぞれ異なりますので注意が必要です。
次回は資産税に関する改正点を解説します。





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