新しい土地税制 平成21年度税制改正 

(新日本法規出版社-「e-hoki」、内にて連載中)


1.はじめに


世界経済の悪化に伴い日本経済は未曾有の経済危機に瀕していることから、平成21年度の税制改正は、消費の促進・景気の回復を最優先課題として例年にない大規模な減税改正となっています。
そこで本稿では、平成21年度税制改正のうち大きく変わった2つの新しい土地税制について解説します。


Ⅱ.新しい土地税制
1.土地を譲渡した場合の1,000万円特別控除制度の創設 (減税情報)
(1)内容
個人または法人が、平成21年または22年に、土地等を取得して保有し続け、所有期間が5年を超えた後にその土地等を譲渡した場合には、譲渡所得の金額から1,000万円を控除することができます。


(2)補足注意点
この制度には様々な制限・注意点がありますので、そのポイントを列挙します。
○対象者はすべての個人、法人
○対象土地は国内にある土地・土地の上に存する権利のみ(建物は不可、棚卸資産である土地は不可、住居用土地でも可能だが買換特例などの特例譲渡との併用は不可)
○取得価額の制限はなし
○取得相手先は、親族等の特殊関係者である場合は不可
○所有期間は、譲渡年の1月1日時点において5年超でなければならない
○譲渡相手先は制限なし(親族でも可。ただし適正な時価譲渡でないとリスクあり)
○譲渡価額の制限はなし
○買換特例などの特例譲渡との併用は不可
○取得年の確定申告において取得土地についての明細記入・添付資料が必要
○特別控除は譲渡益を限度とする
○譲渡損失は切り捨てられる(譲渡損失の場合は優遇なし)


2.土地を先行取得した場合の課税の繰延べ制度の創設 (減税情報)
(1)内容
個人事業者または法人が、平成21年または22年に土地等を取得し、その取得日を含む事業年度終了後10年以内に、既に保有している他の事業用土地等を譲渡した場合には、譲渡益の80%(22年取得のみの場合は60%)相当額の課税を繰延べることができます。


(2)補足注意点
○対象者は個人事業者(事業所得、不動産所得、山林所得のある者)、法人
○対象土地は国内にある土地・土地の上に存する権利のみ(建物は不可、棚卸資産である土地は不可。個人の場合は事業用土地(注)のみ可)
(注)事業用土地・・・「貸付用土地」の場合、事業的規模でなくても、事業に準ずるもの(相当の対価を得て継続的に行うもの)であれば適用可能。ただし、この制度を受けるために一時的に貸付けを行ったと認められるケースなどについては「事業に準ずる」とは認められず、適用できない。
○取得価額の制限はなし
○取得相手先は、親族等の特殊関係者である場合は不可
○譲渡期間は、事業年度終了後10年以内
○譲渡相手先は制限なし(親族でも可。ただし適正な時価譲渡でないとリスクあり)
○譲渡価額の制限はなし
○買換特例などの特例譲渡との併用は不可
○取得年の確定申告において適用を受ける旨の届出書を提出
○課税の繰延べは先行取得資産の取得価額を限度とする


Ⅲ.想定される適用対象者
次のような方については、上記の新税制を検討する余地があると思われます。
○ 売却したい事業用(賃貸用)不動産があるが、売却すると税金が大きくかかるため売却できずにいる方
○近いうちに事業用(賃貸用)不動産を売却しようと考えている方
○近いうちに不動産を購入しようと考えている方


Ⅳ.さいごに
いずれの新税制も土地需要を喚起するために、まず土地を購入することを促進しています。
税制ありきで土地の購入を行うことは非現実的ですが、相続対策などで不動産の購入・売却を検討する方など、新税制によってメリットを享受できそうな方については充分検討できる制度だと思われます。





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